伸縮マスト(伸縮ポール)

Pneumatic Telescopic Mast

空圧伸縮マスト(伸縮ポール)

空気式伸縮マスト(伸縮ポール)は空気の注入、排出により伸縮可能なアルミ製マストです。マストはアルマイト処理された軽量アルミ合金チューブで、腐食に強く高い耐久性を持っています。

セクション(段)数はマストの伸長時/縮長時高さ、その他の仕様により、2~14段と多岐にわたります。

各セクションにロック機構の付いたモデルは、セクション毎及びセクション途中でロックすれば、マストを希望の高さに固定出来、空気を抜いてもその高さを維持します。

小型のモデルは手動のポンプで伸長できるので、電源は不要です。

エア排出バルブを開き空気を抜けば、マストは自重でゆっくり下降(縮長)します。従って、緊急時の縮長にも電源は不要、停電中でも縮長できます。

モーター、ワイヤー、プーリーなどの機構、機械部品が無いため、これらの故障によるトラブルが無く、特別な保守を必要としません。エアホースが抜けても自重でゆっくり下降するため安全です。

特徴

■多段のアルミチューブ内に空気を送り伸長、空気を排出して縮長する伸縮マスト(伸縮ポール)です。

■小型タイプは手動ポンプで伸長出来、電源不要。大型タイプはエアコンプレッサーを使用します。

■マストトップに搭載したアンテナ、照明、各種機器の交換、保守は、マストを縮長すれば高所作業が必要無く、安全性と作業効率が向上します。

■台風等の強風時はマストを縮長すれば、搭載機器の被害を最小限に抑える事が出来ます。

■エアホースが外れても、構造上急激に落ちる事が無く、ゆっくり下降するので安全です。

■機械部分が無いため故障で上昇/下降の不具合を起こす事がありません。

■定期的にマストの汚れを拭くだけで、特別なメンテナンスをする事無く長期ご使用頂けます。

■縮長は排気バルブを開くだけで、自重でゆっくり下降します。緊急時の縮長に電源は不要です。

■地上、車両、建物屋上/外壁など様々な設置形態を可能にする豊富なオプションパーツ

■車両の屋根搭載用オート/マニュアルルーフマスト

■各種規格(TUV, MIL-STD, CE他)に適合

■各セクションをロックすれば、伸長後空気を抜いてもその高さを長期間維持できます。

■セクションの途中でもロック出来るため、マストを希望の高さに固定できます。

■移動先で容易にマストの設置が可能な3脚(トライポッド)/4脚、オプション

■チューブに溝を設けたモデルは、カラーに挿入したキーによりマストが風で回転する事は有りません。

■マストトップに搭載した照明、観測機器、カメラ等の電源或いは信号ケーブルを、マスト内部に通す事が出来ます。同軸ケーブル等はオプションのケーブルガイドを使用してマスト外側を沿わせます。

アプリケーション

■通信(固定局/移動局のアンテナ地上高確保、電界強度測定、災害時通信確保、臨時基地局、他)及び放送(TV中継車、等)

■各種観測(気象観測機器などを観測に必要な高さに昇降可能)

■監視(CCTV等、監視カメラ設置用)

■その他、撮影(写真及びビデオ撮影で、カメラを希望の高さに容易に持ち上げ俯瞰撮影が可能)、小型風力発電、落雷保護、消防/防災、広告など

Firecoについて

Firecoは1975年にイタリアで設立された伸縮式マストの世界的なトップメーカーです。50年近くにわたるその歴史の中で、Firecoの製品は、消防、風力発電、写真撮影、監視、通信、放送、照明、気象観測など、さまざまな分野で幅広く使用されています。マストには様々なアクセサリー、オプションが用意されており、お客様の要望に対し常に適格なソリューションを提供しております。

Firecoは継続的な製品の研究開発と、ノウハウ、経験、この分野の知識により、今後も引き続きお客様それぞれのニーズを満たすモデルを提供してまいります。

FAQ

■機能・構造

マストはどの様にして伸長するのですか?

マスト内部に空気を送り込んで伸ばしていきます。ライトウェイトシリーズのマストは手動ポンプで伸長出来ます。パートナーシリーズ等、大型のモデルはエアコンプレッサーを使用します。

マストはどの様にして縮長するのですか?

マスト底部のリリースバルブを開くとマスト内部の空気が排出され、マストは下降します。

マストはどのくらいの風速に耐えられますか?

仕様書に記載の使用条件、使用限度内のご使用に於いて、仕様書に記載の許容最大風速に耐えられます。既にご使用中の場合は仕様書をご確認下さい。ご購入前でしたらご希望をお知らせ下さるか、或いは弊社までご相談下さい。

マスト頂部に取り付けた照明等の電源ケーブルは、マスト内部を通せますか?

スパイラルケーブルをマスト内部に通すことが出来ます。

マスト頂部に取り付けたペイロードを回すことは出来ますか。

出来ます。オプションのチルト&ターンユニットを取り付けるとペイロードのチルトと回転が可能です。マスト頂部に市販のローテーターを取り付けてペイロードを回転させることも可能です。

マスト頂部に取り付けたペイロードをチルトさせることは出来ますか?

出来ます。オプションのチルトユニット(チルトのみ)またはチルト&ターンユニットを使用します。

風によるマストの回転を防ぐキー溝(アンチローテーションキー)は全マストに標準ですか?

キー溝は全てのマストに標準ではなく、有るモデルと無いモデルが有ります。キー溝の有るモデルは、より重いペイロードに対応するパートナーシリーズ(64φ~340φ)で、キー溝の無いモデルは、軽量なライトウェイトシリーズ(66φ~101φ)です。

回転止めキー溝のないマストは、ペイロードが風を受けると回転しますか?

伸長時、マストの各セクションのロックハンドルを回して全セクションをロックすれば、回転しません。

マスト頂部のペイロードではなく、マスト自体を回転させることは出来ますか?

出来ます。手動で回転させる方法(この場合、最下部チューブにハンドルを取り付けできます)、またはマスト底部に取り付けたモーターユニットとリモコンで回転制御可能です。ステー(ガイロープ)を使用するマストでは、マストのステー取付部が回転する様に変更出来ます。いずれもオプションです。

マストを伸長した状態で長期間使用可能ですか?

可能です。各セクションをロックしながら伸長すれば、伸長した高さを長期間維持できます。但し1ヶ月に1回程度マスト表面の汚れを拭いて下さい。

マストの伸長時最大高さは何mまで可能ですか?

伸縮マストの殆どはお客様の希望された要件に沿って製造されるカスタマイズ品です。ご希望要件には「高さ」も含みますので、弊社サイトの「お問い合わせ」よりご希望をお知らせ下さい。

マストは縮長時どのくらいまで低く出来るのですか?

伸長時の最大高さと同様、お客様のご希望によります。1セクションの長さを短くし、セクションの数を増やすと、縮長高さを低く抑えながら伸長時高さもある程度確保出来ます。

マストの材質は何ですか?

アルミ合金(6063 T66)です。

チューブの厚みはどのくらいですか?

マストチューブの厚さ(肉厚)は通常2mmから3.5mmですが仕様によっては5mmのものもあります。

マストの使用可能温度はどのくらいですか?

-40℃ ~ +60℃の範囲です。

ペイロードの最大重量はどのくらいですか?

お客様のご希望によります。数100kgは可能ですが、他のパラメータと関連しますので、お問い合わせフォームの各項にご希望を記入の上、弊社までお送り下さい。検討させて頂き、可能であればシミュレーションの上、お見積もりさせて頂きます。

マストは何段(何セクション)ですか?

ご希望の最大高さ、最小高さ、その他の要件により変わります。縮長時の高さを低く抑えたい場合は、1段(セクション)の長さを短くし、ご希望の最大高さを達成するために段数を増やします。

「セクションをロックする」とはどういう意味ですか。自動でロックすることも出来ますか。

マストを伸長する際、1段伸ばす毎にカラーのロックハンドルを締めて、伸ばしたセクションをロック(固定)します。全てのセクションについてこの操作を繰り返しますと、最大高さまで伸長したマストは全てのセクションが固定されているためエアを抜いても下降せず、長期間その高さを維持します。また、回転止めキー溝の無いタイプでも、ペイロードが風を受けてマストが回転する事はありません。

セクションロックの方式にはマニュアルタイプ(手動:手でハンドルを回して締めます)と、フルオート(全自動)タイプの2種が有ります。セミオートタイプは開発中で発売時期は未定です。

フルオートタイプは通常、300kg以上の重量級ペイロードを高所へ運搬するために使われるので、マストは大型で用途は限定的です。フルオートタイプの価格はマニュアルタイプのおよそ2倍ほどです。既存のマニュアルロック式マストをフルオートロック式マストに改造することはできません。

マニュアルロック
フルオートロック
マストは逆さまにして下方に伸長することは出来ますか?

標準のマストをそのまま上下逆にして伸縮する事は出来ません。カスタムメイドのマストを供給し、ユーザーサイドで(空圧ではなく)ウインチとケーブルシステムを組み込み、水中で逆さまに使用している例はあります。

設置

何も建造物のない地面に設置できますか?

出来ます。設置方法は多岐にわたりますが、例えば次のような方法が有ります。

1)オプションの3脚、4脚を使用します。ガイイング(ステー)を併用すれば、許容ペイロード荷重、耐風速などの性能アップも可能です。

2)マストとペイロード(搭載物)の重量を支える基礎を造成します。その際、最下段チューブを支えるための柱を基礎に埋め込みます。マストは最下段チューブの底部フランジを基礎にボルト止めすると共に、上部は、基礎に埋め込んだ柱にブラケットを使用して取り付けます。

建物屋上に設置できますか?

出来ます。設置方法は多岐にわたります。ご相談下さい。ステーのアンカーとしてウェイトを置く方法も有ります。

建物外壁に取り付けできますか?

建物外壁の強度がマスト+ペイロードの重量及びマストに掛かる応力に耐えられればオプションのブラケットを使用して取り付けできます。強度が不足する場合は補強を行います。

設置に必要なブラケット等は有りますか?

マストの設置/取付に必要な各種ブラケットをオプション設定しております。設置場所、設置方法その他ご希望をお知らせ下されば、最適な方法と必要な部材を提案いたします。特殊なブラケットもカスタマイズにて製作いたします。

設置の際、マストを垂直に吊り上げるにはどうすれば良いですか?

ライトウェイトシリーズのマストは最下部チューブのカラー下にロープを縛り付け、そのロープでマストを吊り上げ出来ます。

マストは自立で使えますか?それともステー(ガイイング)が必要ですか?

自立もステー使用も可能です。ステーを取りますとマストの耐風速性能が向上します。同じ条件でしたらマストを細くしてコストを低減できます。自立の場合は基礎の造成、4脚の使用、チューブ径の拡大等で必要な強度、耐応力を確保します。

車両に搭載できますか?

出来ます。一般的には次の様な方法で取付けます(弊社ウェブサイトに掲載の実例写真をご覧下さい)。

1)寝かせた状態で屋根上に取付(走行時の状態)、使用時、垂直に起こした後伸長する。

2)ワンボックス車等の後部(リアゲート)に垂直に取付。

3)屋根に穴を開けマストを上から通して固定する。

大がかりな工事をせず、容易にマストを立てる方法は有りますか?

軽量なライトウェイトシリーズのマストで、ペイロードも軽く、風圧面積も小さければオプションのトライポッド、3脚/4脚を使用して容易に設置できます。必要に応じてガイイングを行います。

このマストは地面に造成したコンクリート基礎に、マスト底部をボルトで固定すれば、自立状態で使用出来ますか。

出来ません。マストの仕様によりますが、マスト上部からステーを張るか、マスト最下部セクションを3脚/4脚で支えるか、或いは造成した基礎に埋め込んだ構造物(鋼管柱など)にマスト最下部セクションを取り付ける、などの方法でマストを支えることが必要です。

コンクリートの基礎はマストを強固に固定しますが、展開時にガイロープその他の支えが不要になるわけではありません。ガイイング(ステーロープ)が必要かどうかは、マストのサイズ、ペイロード(積載量)、耐風速値などによって決まります。

このマストは地面に造成したコンクリート基礎に、マストの最下部セクションを埋め込むことは出来ますか。

埋め込むことは出来ません。マストをコンクリート基礎に固定する場合は、マストの最下部セクションを固定するための上部ブラケットを取り付ける何らかの構造物が必要です。マスト底部のフランジはコンクリートベースに直接固定できます。

ステー(ガイロープ)を張りたいのですがマスト接地面がコンクリートでボルトの打ち込み不可となっています。
地面が柔らかくてペグが利きません。ステーの固定方法は?

ステーロープの固定用としてウェイト(重り、重石)を置く方法が有ります。1ヵ所当たりに必要な重量はマストの仕様、ペイロードの重量、風速などによりシミュレーションの上求めます。

3脚/4脚でマストは自立できますか。

マストの仕様によります。3脚/4脚はマストをしっかり固定しますが、仕様(マストの高さ、ペイロードなど)によってはガイイング(ステー)の併用が必要です。3脚/4脚は分解して持ち運べることがメリットです。

設置の際、どの様にしてマストを持ち上げれば良いですか。

マストを水平に持ち上げる時は、写真の2ヵ所にストラップ(スリング)を掛けて下さい。

メンテナンス

メンテナンスは必要ですか?

メンテナンスはご不要ですが、定期的にマスト表面の汚れを拭いて下さい。

最下部カラーのロックハンドルを緩め、マスト底部のリリースバルブを僅かに開き、マストをゆっくり下降させながら、ウェス等でマスト表面を拭いて下さい。1セクションが終了したらそのセクションをロックし、次の段のロックを緩め、同様に最上部セクションまで汚れを拭き取ります。全部のセクションが終了したらマスト底部のリリースバルブを閉め、各セクションをロックしながら、マストを元の高さへ伸長します。

マスト底部固定個所、3脚/4脚、頂部ペイロード取付部等に異常が無いかもチェックして下さい。ステーをご使用の場合はロープの傷み、ラインロック破損の有無を確認して下さい。エアホース取付部に石けん水を塗布し気泡の有無でエア漏れをチェックして下さい。

マストには注油が必要ですか?

注油はご不要です。

このマストで起きうるトラブルはどの様なものですか?

マストの仕様の範囲内でご使用頂いている限り問題は有りませんが、長期のご使用に際してはエア漏れにご注意下さい。エア漏れは、ハンドポンプ下部エアホース取付部、マスト底部エアホース取付部の他、エアホース途中のひび割れでも発生しますので、石けん水等を塗って気泡の有無でチェックします。

長期間ご使用中のマストは、周囲環境、伸長/縮長頻度、マスト表面清掃頻度などによっては各セクションのガスケットが摩耗しエアが漏れる場合が有りますので、カラーのチューブとの摺動部を同様の方法でチェックし、エア漏れが確認された場合はご購入先にご連絡下さい。

その他

マストの見積もりにはどんな希望要件の提示が必要ですか?

伸縮マストのページ下部「お問い合わせ」で表示される「ご希望要件入力フォーム」、または上部メニューの「お問い合わせ」ページの上部「伸縮マストに関する問い合わせはこちら」で表示されるフォームの各項が、お見積の際にお知らせ頂きたい事項です。

受風面積とは何ですか?

ペイロード(マスト頂部の搭載物)の投影面積を合計したもので、マストの強度計算に使用します。

マストの価格を知りたいのですが?

伸縮マストはその殆どがお客様のご希望要件に基づき製作されるカスタマイズ品ですので、ご希望を伺ってお見積もりさせて頂きます。

簡単に組立て使用出来るポータブル型はありますか?

ライトウェイトシリーズのマストが軽量で持ち運び可能です。設置にはオプションの組み立て式トライポッド、3脚/4脚、ガイロープなどを使用します。

伸縮マストのメリットは何ですか。

マストを下げて(縮長して)、マストトップの機器の点検、保守が地上付近で行えるので、危険な高所作業が不要となります。台風など、強風が予想される場合は事前にマストを縮長すれば搭載機器の損壊を最小限に抑えることが出来ます。移動先で容易に機器を高所へ持ち上げることが出来ます。

お問い合わせ

伸縮マスト(伸縮ポール)の導入をご検討の際には、下記の項目に付きご希望をお知らせ下さい。弊社より連絡させて頂きました上で、お見積書をお送りします。

    必須企業名

    任意部署名

    必須ご担当者氏名

    任意所在地郵便番号

    必須所在地ご住所

    必須電話番号

    任意携帯電話

    必須メールアドレス

    マストのご希望要件

    任意伸長時最大高さ

    m

    任意縮長時最小高さ

    m

    任意搭載物(何を搭載しますか)

    任意搭載物の形状

    任意搭載物の寸法

    cm

    cm

    高さ

    cm

    任意搭載物の総重量

    kg

    任意設置形態










    任意搭載物のパン

    任意搭載物のチルト

    任意その他のご希望、ご質問

    任意ご希望の連絡方法

    必須内容確認


    ※ステーとは、マストを固定するためマストの途中から3方向へ張るロープの事で、張り綱、或いはガイロープとも呼ばれます。ステーを張るとステー無しの場合と比較し、より強固にマストを支持できるため、同じペイロード(搭載物)でも、マストを細くできるので、マストの価格を低減できます。

    フォトギャラリー

    ■3脚、4脚、トライポッド

    3脚/4脚の組立
    トライポッド(3脚)の組立

    ■ガイイング

    ■サベイランス

    ■セクションロック

    セミオートロックシステム
    フルオートロックシステム

    ■ポータブル

    ■ルーフマスト

    ■気象観測

    ■消防

    ■照明

    ■通信

    ■撮影_その他